こちらはこの時点で感じた、あくまで個人的な感想ですのでご了承下さい。
2012 Kawasaki W800
トライアンフもダボも好きで、以前に何度か復刻版のW650に乗った事があります。そんなせいで期待して乗ってみたのですが、エンジンがスムースすぎて自分が期待していたツインらしさが足りないと感じました。
もっとドコドコ感が欲しい。
スロットルを開けるといとも簡単に「ブリ〜ン!」って回るんですが、そのぶん爆発毎の駆動感が薄れてて、これじゃ何もこのバイクじゃなくてもいいじゃないってなっちゃう。以前乗らせてもらったW650の方が楽しかった気がするのは気のせい?
スタイルは大好きなのですが。
2012 Suzuki GSX1250F(バンディット)
かつて憧れた可変バルブのバンディット400Vや、美しいロケットカウルの付いたLTD Vの面影は微塵もありません。
乗ってみると、楽なポジションや扱いやすいエンジンで、ツアラーとしては良く出来ていると思いますが、至って普通。この手のバイクならたくさん選択肢はあるし、なぜこれに「バンディット」という名前を付けたのかが疑問です。
自分の中のバンディットは、もっとセクシーで、ちょっと悪っぽいイメージです。
2012 Yamaha FZ1
最近多く見かけるストリートファイター系のデザイン。
乗ってみると、これホント良く出来てるバイクだなって思える楽しさがありました。ツインにことごとく期待を裏切られているので、こうなるとマルチも楽しく感じてしまいます。
跨がった景色も、複雑な曲線を描くタンクラインや、ネイキッドならではの広い視界で、とても気持ちが良いです。ホールド感抜群の車体と219kgとは思えない軽い取り回しで、コーナーがとても楽しい。アクセルにすぐさま反応するレスポンスの良さですが、決してギクシャクはしない。あくまでライダーの意思を素直に伝えてくれる、とても気持ちがよいものでした。ちゃんとタコメーターもアナログだしね。
あれ、マルチってこんなに楽しかったっけ?と、改めて感じさせてくれたバイクです。
2012 Yamaha YZF-R1
最新のリッターSS。
さすがに145psなので緊張しながら走り出しましたが、想像していた扱いづらさはなかったです。もちろん早く走るためのSSなので、このバイクが一番サーキットでは面白かったです。
とにかくコーナーが楽しい。試乗会だからそんなに飛ばせないですが、それでも抜群の接地感がライダーに安心感を与えてくれます。この接地感、今までで一番ステキです。
ざっくり言うとBMWはバイク任せという感じ、逆にDucatiは「ほら、もっと早く、ほれほれ」とバイクに煽られる感じ、これはすっごく自然。背伸びをしなくても、その速度で的確に情報を伝えてくれる感じで、ゆるい速度でコーナリングしてても楽しいです。
倒し込みたければスッと入り込むし、アクセルを開ければイメージしたラインを気持ちよく描ける。じゃじゃ馬を乗りこなすのではなく人馬一体という感じで、それはそれは楽しいバイクでした。
今回乗ったバイクで、ヤマハはバイク乗りの気持ちがよーく分かってるメーカーなんだなぁと、つくづくそう感じました。
1994 Harley Davidson FLSTN
久々のハーレーです。
ちょうど20年前のモデルの1340ccエボは、今も快調に動いていました。もうこのバイクに理屈は要らない、乗ってすぐに笑みがこみ上げてきてしまいます。
別に曲がる訳でもなく、ブレーキが利く訳でもなく、快適な訳でもないこのバイクがなぜこんなに楽しいのかは、今も謎です。いつかまた乗る日がやってくるのかは分かりませんが、その時はまた遠くへ出かけてしまうんでしょう。
さて今回試乗できた10台で、良い方向にシフトしているモノとそうでないモノの差がハッキリと現れているなと感じました。既存の(というか基本的な)バイクの楽しみはスポイルせずに、それ以外の改善できる所はしっかりと変える、そう進化しているバイクは、最新型だろうが四発だろうが、それは楽しいバイクに進化していました。
一方で、最新技術にノスタルジーを加えただけの様な安易なものや、ただの最新技術のカタマリみたいなバイクは乗っても楽しくありませんでした。
そしてこれは自動車にも言える事なのかもしれないですが、そもそもそんなに多くの車種が必要か?と、メーカーに対して思います。
バイク乗りって、自分も含めて、単純に気持ち良くてカッコいいのを求めてる気がします。もちろんそれぞれ価値観は違うからそれぞれツボがあるのでしょうが、基本は同じだと思います。そういう所に「自分こんな事までできるんスよ」と言われても「あっそ」で終わってしまうのと同じで、見当ハズレな技術てんこ盛りのバイクは一つも魅力的ではないし、楽しくない。これは何もバイクに限った事じゃなくて、あらゆる事に同じ事が言えるんじゃないかな。
遊ぶ道具を作る側は、ユーザーより遊びが上手でいてほしいなと思う、今日この頃でした。
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